MY craft house とんび我楽多堂  車輌工作日誌

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増税が招く国家財政悪化と民間経済の衰弱 2

レイアウト製作ブログ 2014/7/22からの転載です。
この先起きてしまうのではないかと危惧する経済と政治の大きな混乱についてまとめています。


 増税による日本経済への悪影響についての話を続けていきます。

 今年4月より税率が8%に引き上げられた消費税ですが、既に民間経済に暗い影を落としかけていることを話しました。10%に引き上げられる時点で日本経済は増税恐慌とか増税スタグフレーションに陥り、深刻な危機を迎えてしまう可能性が出てきたと私は危惧しています。91年のバブル崩壊や2008年のリーマンショックほどではないにしても・・・・・。(企業も学習していて早めに設備投資や新規雇用を控え大怪我を避けると思うが)

 とにかく自民と財務省が突き進めている増税路線は危険極まりないゲームだということを我々は認識しないといけません。



 増税反対というけれども日本の累積赤字国債額が1000兆円以上にも膨れがっており国家財政が危機的状況ではないか?我々国民がもっと税金を納めて歳出を切り詰めていかないと将来大変なことになるのではないかと危惧する人が多くいるかと思います。だから消費税引き上げは仕方がないという見方が出てきます。

 確かに税収を増やし歳出を削らないと財政状況が悪くなるのは当然のことですが、税率を高くすれば税収が上がるというのは極めて単純な見方です。例えば商店で扱っている商品の値段をどんどん上げればその店の収入が増え続けるかというとそうはいかないでしょう。お客が「こんな値段ではあの店の商品を買いたくない」と思えばその店からお客が逃げてしまい売上が落ちてしまいます。値上げが逆に収入を落とすケースもあるでしょう。

 商品の値段を上げなくても人気のある商品を企画して数を売り捌けば収入が増えます。国の税収も民間の経済活動を活発化させ企業や個人がもっとしっかりお金を稼げれば税率を上げなくても税収が増えるはずです。ここ愛知県はトヨタなどの自動車産業が発達しておりアベノミクス効果がてきめんに現れた地域です。そのおかげで県の税収が上がりました。

 値上げの前に数を売って売上を伸ばすことを考えるのが経営の常識でしょう。民間で商業活動をした経験のない財務省の官僚たちや政治家の多くはそういう単純な経営の常識すら持ち合わせていません。

 昔国鉄が1976年にいきなり運賃を50%も上げ、予想以上に多くの利用客が他の私鉄・航空機等に移ってしまい国鉄ばなれを加速させてしまいました。その後も国鉄は運賃の値上げを繰り返したものの赤字は雪だるま式に膨れ上がり続けてしまったのです。財務省官僚やそれに近い議員たちは当時の国鉄と同じ過ちを犯そうとしている気がしてなりません。



 消費税を5%から8%に、さらに10%へと引き上げていけば税収も比例してそのまま増えるだろうと単純に思い込んでいる人たちが多いのですが、民間の経済活動が低迷し経済成長率が下がってしまえば税率を上げても逆に税収が下がってしまうのです。

 今年4月に実施された消費税8%引き上げだけでも既に一般家庭の消費がドスンと落ち込み、製造機械の受注高も下がってしまいました。10%引き上げの時点で景気に致命的ダメージを与え企業の業績が悪化し失業率も再び悪化していくでしょう。

 景気悪化によって赤字経営で税金を納められない企業や非課税世帯が増加していくことによって税収が落ち込むだけではなく、国や自治体からの補助金に頼らないと潰れてしまう会社や生活できない個人を増やすことになります。結局税金のバラマキをやらざる得なくなり歳出の方がどんどん増えてしまう危険があります。



 この後で政局の変化についても書いていきたいと思っていますが、このまま自民党が政権を担い続けるにしろ別の政党に政権交代するにしても税金バラマキ路線を走っていくことになると私は予想しています。

 今生活保護を始めとする社会保障費の切り詰めが情け容赦なく進められ国民の一部にもそれを賞賛するような人たちがいますが、景気悪化で企業倒産や失業者・ワーキングプア層が増大していった場合それが通用するでしょうか?失業給付や生活保護ではなく麻生政権下で行われた緊急雇用対策事業みたいな形で行われるとしても国や自治体のお金で生活費を給付しないと国民の怒りが爆発するという事態になってしまうでしょう。



 結果的に消費税引き上げは国家財政健全化どころが税収減・歳出増を招き、財政悪化をますます増長させることになるかと私は予想しています。

 本当の国家財政健全化は税率を上げたり社会保障費などの切り詰めでできることではありません。まずは儲かっている企業・稼げる個人を増やすことの方が先です。消費税引き上げは逆に儲かっている企業・稼げる個人をどんどん潰し、国や自治体のお金にしがみつかないと生きていけない人たちや企業を増やすだけになります。

 こうなってしまうと日本は自由主義経済を放棄して社会主義に移行しないといけなくなります。



 安倍晋三氏の祖父・岸信介は戦時中に日本を統制経済にしてしまい”社会主義国”化させました。(何度か書いているが阪急東宝グループの小林一三氏は「岸くんはアカか!」と怒鳴っている。)

 奇しくも岸信介の孫が再び日本の社会主義国化を招いたということにならなければ良いのですが・・・・・。
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by mycraft-tonbi | 2014-07-24 05:17 | 世情

再び荒れる予感の経済と政局の混乱 その1

レイアウト製作ブログ 2014/7/21の記事転載です。
 
 これから起きるのではないかという経済と政治の大きな混乱と低迷について書き記しておきました。

 堅苦しい社会情勢の話ばかりをしますが、我々日本国民の生活に暗い陰を落とすであろう政治の混迷が予想されます。かなり悲観的な話ですが私の脳裏に浮かんでいることを書き綴っていこうと思っています。内容的にはここで書いたことの続編でいささかくどいと思われるかも知れません。

 しかし安倍首相が昨年秋に決断した消費税率引き上げが与える日本経済と我々国民の生活へのダメージと政局混迷の可能性について今のうちに書きとどめ備忘録として残しておかねばと考えました。このブログで社会情勢の話を書くのはあと2~3ヶ月までのつもりですが、中間総括のつもりで書いていきます。



 稚拙極まりない政権運営で国民から愛想を尽かされた民主党政権が崩壊し、再び自民党が政権を奪還し安倍晋三氏が総理の座に返り咲きました。このときに目玉公約として掲げた金融緩和策を中心とする経済再生政策アベノミクスが始動し、そのすぐ直後に株価が上昇。黒田新日銀総裁が就任して以後、超円高・デフレ状態の白川総裁時代から一転し円安基調に動き自動車をはじめとする輸出産業が息を吹き返し失業率も低下。一時日本経済はいよいよデフレスパイラルから脱却かというところまでいきました。

 安倍政権もこのリフレ政策という金棒のおかげで、国士無双といっても良いぐらいの絶倫パワーを誇っていました。安倍自民政権は「憎ったらしいほど強い」という言葉を使いたくなるぐらいで、かつての「巨人・大鵬・卵焼き」という言葉を想い出します。



 しかし安倍氏自身の消費税引き上げというたったひとつの判断が全てをおかしくし始めています。

 昨年秋にまとめた自分の記事で次のようなことを書きました。



 「しかし私はもっと悲観的な動きになるのではないかと予測しています。自民党や財務省・日銀が予想している以上に多くの市民や各企業が家計圧迫や減収・支出増を恐れはじめ、消費やリスクの高い思い切った設備投資を避けはじめるのではないかと見ています。慎重な企業は景気の先行き不透明感が出ただけでも新規投資や雇用拡大・給与引上げを躊躇うでしょう。


 ~中略~

 もしそうなった場合、安倍政権並びに自民政権の崩壊(次期衆議院・参議院まで民主政権末期のようなイライラ状態が2~3年続く)のみならず、経済政策論争や政治論争もどう収拾をつけたらわからないほど混乱するでしょう。金融緩和と増税という政策が互いに薬効を殺し重篤な副作用を増幅させてしまう危険が生まれたような気がしています。」



 赤太字で書いた部分は既に現実化してしまったと言ってよいのではないでしょうか。

 しかしそれはこれから始める日本経済崩壊の序曲に過ぎません。まだ失業率や物価上昇率については悪い数字が出てきていませんが、一般市民・個人の消費活動鈍化や機械受注高下落という動きが出たということは雇用の方にも遅からず悪い影響が見えてくるでしょう。

 消費税は8%引き上げだけに留まらず、さらに10%も跳ね上がります。安倍首相は「10%引き上げは景気の動向を見て決める」と慎重姿勢を見せていますが、現在の自民党や財務省の動きからするとさすがの安倍氏も増税圧力を跳ね返すことは難しいでしょう。10%税率引き上げで日本経済の息の根を止めることになるやも知れません。

 今年の秋~冬には再び企業倒産が連発しそれに伴う大量の失業者が発生する危険性があります。

 そのような事態になったとき彼らはどうしたら良いのでしょうか?

 自分は上で書いたように円高やデフレを望む立場ではありませんし、本来は一般市民の収入上昇と伴う形で緩やかに物価上昇していくのが健康的なマクロ経済の姿であると考えていますが、収入が激しく減少したり絶たれた状態の人が多くいる中で物価上昇だけが残るのは非常に大きな問題です。

 所謂「増税恐慌」「増税スタグフレーション」といえる状況ですが、こうなったら最悪です。

 企業の倒産や業績悪化による人員削減の煽りを食らった失業者たちはどうなってしまうのでしょうか?失業保険は僅かな期間の給付のみです。おまけに最後の救済手段である生活保護についても自民政権と財務官僚たちが”水際作戦”とか”硫黄島作戦”を展開中で締めつけまくりです。もはや死ぬ以外に選択肢がないという人を大量に生み出すことになりかねません。



 それともうひとつ不気味な話をしましょう。

 17日首相官邸で行われた7月の月例経済報告で「消費総合指数は、5月は前月比 1.3%増となった」と発表されています。一見すると若干消費が回復しているかのように見えますが、この消費総合指数は需要側統計(「家計調査」等)と供給側統計(鉱工業出荷指数等)を合成した数字です。

 供給側の鉱工業出荷指数などの消費指数は大きく落ち込んでいないのですが、需要側の家計調査の指数は前月比 3.1%減に落ちています。ここで「家計調査の数字は悪いけど鉱工業出荷指数などはそれほどひどくないよね」と見てはいけません。

 モノを消費する需要側の消費は止まっているのにモノを生産する供給側の出荷高はまだ高いままということはクルマで言うと前輪は急ブレーキがかかってロックしているのに後輪は駆動力がかかったままで前に進もうとしているという状態だということになります。そうなるとクルマが前のめりになり後輪が滑って横っ飛びしガードレールにぶつかってしまいます。

 もう少し詳しくいえば供給側はこれまでアベノミクス効果で景気が良くなり需要が伸びてきているからとことでモノの生産量を高めてきました。設備投資や人員増強も行っています。ところが消費税率引き上げによって需要側がモノの消費を手控えるようにしはじめてしまいました。いきなりの景気減速によって供給側が売れると見込んで生産したモノがダブつき不良在庫品となったり、投じた設備が余剰設備・雇った人が余剰人員になってしまうのです。

 1991年のバブル崩壊や2008年のリーマンショックほどの激しいものになるかどうかわかりませんが、それに近い状況が今年中に起きる危険があると私は推測しています。



 憚りながら自分が社会情勢のことに首を突っ込みこのブログでいろんなことを書くようになったきっかけはリーマンショックや麻生自民政権が崩壊したことでした。

 それから5年以上過ぎ、このブログでの記事投稿もいよいよ終わりという段階に差し掛かってきたときに再び自民党が同じ過ちを犯し日本経済の混乱を招こうとしているのです。民主党政権の迷走を経て安倍政権でようやく地に足がついた政治が復活したかと思っていた矢先にまた振り出しに戻ってしまうというのは何とも皮肉な話です。

 本当は政策的に打つ手はいくつかまだ残されていますが、現状の政局や世論を見ているとそれが実現できる見込みはかなり低いです。いくら景気が悪化し個人や企業が苦境に喘いでも増税は粛々と進められていくでしょう。

 脅しになってしまいますが、このままの流れが進むと日本の国力はますます衰え、貧困状態に追い込まれる国民が膨れ上がってしまうと私は思っています。

 大袈裟な言い方ですがまた再び日本は”死の時代”に向かって歩み始めていることを国民ひとりひとりが重く受け止めるべきです。自分はどこかで皆がもう一度「生きたいんや!」という気持ちで死神を追っ払うことに微かな期待を寄せていますが・・・・。
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by mycraft-tonbi | 2014-07-24 05:11 | 世情

集団偏重から個人重視の政策への転換

2014/7/15レイアウト製作ブログからの転載です。
雲行きが怪しくなってきた自民安倍政権の行方と自民党に対する提言としてまとめたものです。

 前の2回で自民と財務省が突き進める増税路線が国民経済に深刻なダメージを与えはじめていることを書いています。



 自分は自民党の経済政策を批判してはいますが、外交・国防のことも含め考えると今の安倍さんが最も首相にふさわしく、これまでも絶妙なバランスで政権運営を進めてきたと評価しています。今のカオス状態の野党を見ていると自民党以外に政権担当能力を有する政党がなく、あと1~2年は安倍氏に安定した政権を握ってもらうことが多くの日本国民にとって最善の選択となってきます。

 逆をいえば今自民や安倍さん以外に選択肢がない状態にあるからこそ、自民や安倍さんは経済の舵取りをしっかりしてもらわないといけないのです。財務省と一蓮托生になってしまうような今の動きから抜け出してほしいところです。



 前置きはさておき、私が永年自民党という党に対し考え方を変えてもらいたいと願い続けていることがあります。それは”個人”を尊重せず蔑ろにしてしまう思考です。

 戦前・戦中までの日本社会は「滅私奉公」とか「官尊民卑」という思考が強く染み込んでいました。徹底的に”個人”や”私”という概念を否定し、国家という集団に個々人を埋没させてしまうものの考えです。戦後50年を超えましたが未だどこかに多くの日本人がこの思考から抜け出していないのです。

 自民党が憲法変更案を出しましたが、ここでも見事”個人”が否定され国民は単なる”人”として扱われていました。http://www.liveinpeace925.com/commentary/atcafe130224_individual.htm 今は自民側が変更案を修正して”個人”という概念を復活させているのですが、どうはともあれ国民ひとりひとりを独立した個人(individual)として見なしていない自民党議員たちのの本心を覗かしています。結局個人の判断に任せてしまうとそれぞれ身勝手な行動を取ってしまうからお上である国家が判断し命令してやらないといけないという驕った中央集権主義思考から卒業できていないのが自民党議員でしょう。



 憲法のことはともかく行政面においても自民党がとってきた政策は個人ではなく国家や企業・団体など集団の利益を優先させる傾向が強く感じられました。

 自民麻生政権がリーマンショック後採ってきた経済政策ですが、不評だった定額給付金を除き個人の救済よりも企業や団体に金をバラ撒くことを優先させています。派遣切りでいきなり職や住居を失い路頭を彷徨うことになってしまった個人に対し直接援助するという形ではなく、企業に雇用促進助成金を撒いてしまったりエコカー減税や家電エコポイントのように実質特定企業向けとしか思えないような補助金バラマキをやってしまったために国民から総スカンを食らいました。

 民主党は当時スローガン「コンクリートから人へ」というスローガンを掲げていましたが、この言葉に多くの有権者が靡き民主党に政権を与えたのも、個人の救済を蔑ろにしてきたこれまでの自民党流経済政策への反発だったと私は解釈しています。

 これは自民政権ではなく民主・菅直人ならびに野田政権のときの話ですが、東日本大震災の復旧復興支援策においても個人の救済よりも団体への補助金給付が優先されてしまっています。

 ”公共のインフラ”とされている道路などについては復旧が割と早いスピードで進んだのですが、震災の津波で家屋や店舗をはじめとする財産や職場を失った個人に対する救済については復興予算があまり回されてきませんでした。

 経済学者の原田泰さんが津波で家を失った被災者に住宅再建のための補助金を出し、住居の選択については各人の判断に任せるやり方を採った方が安上がりで復興できるという政策アイデアを出されていました。http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1494 ところが日本の役人は天災による個人財産を公費で補償することは憲法違反だなどと言ってこうした政策アイデアを潰そうとするのです。

 あと被災した中小企業の設備や施設の復旧費用のグループ補助金制度についても中小企業にとって申請が極めて面倒で難しく使い勝手がものすごく悪い制度でした。これも個々の私企業に公金を出せないから、いくつかの企業が共同で地域の復興にどのような貢献ができるかという提案を出して”公共性”を示して補助金申請をしなさいという格好になっています。

 東日本大震災は民主党政権下で起きたことですが、菅・野田政権共に実質自民党・公明党の傀儡政権となっていたので両党にもその責任の一端があります。



 ともかく国家は国民個人から税金を捲揚げるけれども、国家が国民個人を救わないという図式が定着してしまっていることに私は腹立たしいものを感じています。何か一方的に税金を払う義務や国家に対する帰属意識や忠誠心を持つことだけを押し付けられているのって変じゃないですか?国が個人のために何をするのかをもっと問い詰めていくべきではないでしょうか。



 昔大映テレビが制作した「スクールウォーズ」のOPで「ONE FOR ALL, ALL FOR ONE」というフレーズが流れてきました。ドラマでは「皆は一人のために 一人は皆のために」という解釈で使われていましたが、国民と国家の関係もそうあるべきだと私は思っています。公は個人を尊重する義務があり、個人は公のために貢献する義務があるのです。欧米圏においてpublicとprivateについても両車輪と同じでアンチノミー関係です。日本国憲法の思想的バックヤードにも同じ考えがあります。



 日本社会を見ていると「滅私奉公」か「滅公尊私」のどちらかしかありません。

 本当は「尊私奉公」であるべきですし、日本国憲法の理念もそうです。



 いろいろ書いてきましたが、自民党もそろそろ「尊私奉公」型の思考を持つべきでしょう。

 滅私奉公型思考から脱却しないと、再び麻生政権の二の舞(まえ)になりかねません。

 一見右傾化が進んだと云われている日本国民の世論ですが、オセロ玉のようにあっという間に白黒逆転する可能性があります。私は既にその予兆が現れかけている気がしてなりません。(決してそれを喜ばしいことだとは思っていないが・・・・。)
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by mycraft-tonbi | 2014-07-24 05:00 | 世情

衰弱し続けた日本の国民経済

2014/7/14 レイアウト製作ブログからの転載です。数ヵ月後あたりに起きそうな大きい異変に備えてです。

 最近また雲行きが怪しくなりはじめた経済の話 2回目です。



 先月6月末に総務庁より発表された5月の労働力調査では失業率が前月より0.1ポイント下がり3.5%に、消費者物価は消費増税の影響分2%を除き1.4%増とデフレ脱却の動きが数字に現れかけていました。

 ところが同日に発表された家計調査の方が東日本大震災直後の2011年3月の8.2%下落に次いで対前年同月比7.8%悪化という激しい落ち込みが見られたのです。それからさらに今月10日に内閣府が5月の機械受注は過去最大の減少幅で対前月比19.5%減だったことを公表しました。私の場合携帯電話に流れるニュース欄を見て知ったのですが、一瞬「げっ」と思いました。



 消費税率引き上げは景気に悪い影響を与えると云われますが、消費税が導入された89年と5%に引き上げられた97年で影響の規模や回復力に差が出ています。89年はまだバブル景気の最中で日本経済はイケイケ状態だったため一般消費者も文句は言いつつも消費活動を緩めませんでした。ところが97年のときはバブルが崩壊した後で95年の阪神淡路大震災の傷癒えぬときの税率引き上げでした。このときは景気に大きな悪影響を及ぼし多くの企業を倒産させました。税率引き上げを決めた橋本龍太郎元首相もこのことについて懺悔しています。皮肉にも今回の税率引き上げは東日本大震災から2年後という点で類似していますが、97年のときと比較してもさらにひどい落ち込みであるようです。



 バブル崩壊の90年代以降、日本経済は「失われた10年」いや「失われた20年」「四半世紀」という暗く長いトンネルに突っ込んでしまいました。その間に日本の豊かな中流層の経済力がじりじりと失われ衰弱していったのです。バブル崩壊前までは真面目に一生懸命働いていれば勤めている会社が定年退職の日まで面倒を見てくれ平穏なサラリーマン生活が送れるという牧歌的な時代でしたが、今はそんなことができる企業はどこにもありません。正社員といえど明日をも知れぬ身なのです。

 97年はデフレ時代のまだ入口で多くの中流層が経済的余力を残していたのですが、それからまた十数年デフレ状態漬けにされた日本国民の多くはさらに経済活力を失っています。平成生まれの人たちは好景気やインフレの時代を生まれてから一度も経験していないことになります。ということは豊かさや上昇体験を知らないまま育ってきてしまったことになります。ここが恐ろしいのです。



 例えば小さい頃から親にまともな料理を作ってもらえずジャンクフードばかり与えられた子供がいたとします。

 その子供が大きくなったときにコックさんや板前さんになって美味しい料理を創ることができるでしょうか?またそうなろうという気持ちが生まれるでしょうか?

 味覚が育たず鈍麻になってしまうと極端に甘いものとか脂っこいもの、激辛のものでないと食べたときの充足感が得られなくなります。アメリカ人なんかがそうだと云われます。微かな香りや繊細な味わいを愉しむことができなくなります。そういう人が料理を作ってもやはり大味なものしかできません。

 つまりは幼少期から優れた技術、丁寧な仕事で作り上げたものに多く触れてこないと、その人自身が技術を身に付け優れたものを生み出そうという行動を起こさなくなります。10数年~20年以上にも渡るデフレによって多くの日本の若年層からものに対する情熱や意欲を奪われてしまっているのです。不幸なことに彼らはそれが当たり前になっています。我々日本人が想像している以上に日本の技術力が目減りしていることを警戒すべきでしょう。

 ここでよく引き合いに出しますが日本酒の世界なんかひどいものです。近年地方に存在する様々な藏が繊細な醸造技術で仕込んだ純米酒や吟醸酒が認知されるようになってきましたが、現在でも醸造用アルコールで伸ばした三増酒時代のイメージを引きずっている人は少なからずおられます。彼らは未だに「日本酒なんかどれを呑んでも同じ」とか「日本酒は呑んだら頭が痛くなる」といいます。「悪貨が良貨を駆逐する」じゃないですが、一度広く出回った悪酒のイメージは簡単に覆されず、日本酒需要がシュリンクしてしまったままです。



 長くいろいろ例を出しましたが、あまりの長いデフレ状態のために日本経済活性化の原動力というべき日本人のものづくりへの情熱や技術への憧れが多く失われ、持続的で厚みのある需要を生み出してきた中流世帯の経済力も目減りしてしまっているのです。日本の民間の経済活力は消費税引き上げによる景気への悪影響を跳ね返すだけのバイタリティを89年の頃はもとより97年のときよりも衰えさせてしまっていることを考慮しないといけません。その認識が自民党や一時政権を担った民主党に欠けていると思わざる得ないのが私の見方です。



 今の日本の国民経済は重く慢性化した疾病に悩まされ長い入院生活を送り続けてきた病人と変わりありません。心筋梗塞でぶっ倒れアベノミクスという療法で命を取り留めたのは良いとして、その後負荷テストも行わずいきなり激しい運動をさせたのが今回の消費税率引き上げでした。下手をすればまた経済という心臓が発作を起こしてICUへ逆戻りということにもなりかねません。



手術は上手くいったが術後管理が間違いだらけ・・・・・結局は自民もヤブ医者に過ぎなかったということにならないことを祈ります。
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by mycraft-tonbi | 2014-07-24 04:55 | 世情

官民共依存関係と重税無福祉国家化の流れを断ち切れ

 2014/7/14 レイアウト製作ブログからの転載です。
 

 ちょうど先月の中頃に自民党が携帯電話・スマートフォンなどに課税する税制度の導入を検討しているというニュースが流れ込み、それを聞いた多くの人が反発しました。

 今年4月から実施された消費税率8%への引き上げをはじめ、さらには所得税の扶養控除廃止などの話が出かけたりするなど自民および財務省の増税前のめり路線がどんどん色濃くなってきています。いや増税だけではありません。国家財政危機を言い訳に社会保障や医療・福祉などの民生サービスレベルの切り下げも同時に進められていますから”高税負担低福祉(サービス)”国家路線が露骨になってきたと言った方がいいでしょう。(国家財政危機については私も騙されて不安感を強く持っていたが・・・・)



 携帯電話やスマートフォンに対する課税は私も当然ながら強く反対しているのですが、同時にこの話が出てきてからはじめて反発の声を出したとか、携帯・スマホ課税には反対だけど他の品目に対する増税には無関心というような人が結構いるのではないかと気になっています。それに経済活動への関心も低く重税化による景気への悪影響のことも見ていないのではないかと思えることもあります。

 また増税してもいいけど社会保障や福祉の方にお金を回してね的なことを言う人もいました。(”高負担高福祉型”の大きな政府指向)



 どうも国民自身が経済の姿・・・・いや自分自身の将来の生活像すらきちんとイメージ出来ていない。だから政治家を貶したりするけれどもどういう政策をしてほしいのかのオーダーを出すことも出来ない・・・・そう私は常々感じています。



 現在日本は経済問題や国家財政問題、外交・国防問題、東日本大震災復興問題、電力をはじめとするエネルギー問題などが山積していますが、まず第一に活発な経済活動の再生を行うことが他の問題の解決にもつながっていきます。最近は国益・国益というと軍事力のことばかりに目を向けてしまう人たちがものすごく増えており経済のことはどうでもいい的なことを言う人がいますが、経済力と軍事力もかなり密接にリンクし合っています。尖閣諸島や竹島問題が起きたときも日本経済はデフレ状態真っ只中でした。安倍首相が金融緩和政策を中心とするアベノミクスを打ち出したときも反発してきたのは中国や韓国です。日本の経済力が回復されると軍事力も強くなることを恐れているから反発したわけです。逆をいえば日本は強い経済力を回復すれば周辺国の暴走を食い止める抑止力になります。



 話がそれましたが、今の政治の流れを見ているとただ税率だけをどんどん引き上げて目先の税収を上げることにしか関心がない官僚のペースに呑まれてしまっている嫌いがあります。自分はこの路線を見ていると地方の中小鉄道会社やバス会社の姿を思い出さずにはいられません。利用客が減ったから運賃を上げたけれども、高運賃やそれに見合わない輸送サービスレベルを嫌いさらに利用客が減る。そしてまた運賃値上げと減便を繰り返し最期は路線廃止もしくは井笠鉄道のように会社倒産・・・・・という悪循環に日本という会社も陥る可能性があるのです。

 日本経済や国家財政において一番良い循環は民間の経済活動が活発になり、それによって所得税収が自然に伸びるという流れです。アベノミクスによってその良い流れが生まれはじめていました。

 しかしそのアベノミクスの効果を自らキャンセルさせてしまうように安倍首相自身が消費税8%引き上げを認めてしまったのです。悲しいかなもう既に家計調査の消費指数や民間設備投資額のデータで悪い数字が出てきています。再び日本経済の沈滞化が進み始める予兆が現れかけてきました。



 このままいけば多くの日本国民や企業が不景気による収入減で苦しんでいる中、税負担だけがどんどん重くのしかかり、さらには病気や怪我、高齢などで働けなくなったときの生活保障が何ひとつされないという暗澹たる将来が待ち受けていることでしょう。

 

 そうならないようにするにはどうしたらよいのか?

 まずは国民側が政治家側に経済活動の回復を最優先し税率の引き上げはその後にせよと訴えていくべきです。国民自身も「税金さえ納めていけば自分たちが困ったときにお上が助けてくれる」という甘い期待を持ってはいけません。国民が何も言わなければ国民のためになることを何もしないのが国家です。新しい民生サービスの提示をしないうちから税金を国家に預けるなどもっての他です。国民の前にどういうリターンがあるのかはっきり明示してから税金をくれというのが国家としての筋でしょう。それを国家がしないのであれば民のカネは官ではなく民が使った方がいいのです。(小さな政府主義)

 私も昔”高負担・高福祉”の大きな政府志向の考え方でしたが、今は改宗して小さな政府志向に転じました。ただ小さな政府志向と言っても俗にいう”低負担低福祉”ではなく”低負担良サービス”を求めていく考え方で、サービスにかける金額は大きくなくても国民にとって満足感の高い良質な行政サービスができないものかということです。(鉄道やバス会社に例えれば便数を増やせなくても利用者が使いやすいダイヤをきめ細やかに設定しサービス満足度を高めるといった方法)



 これから我々国民が選ぶべき政治家や政党は経済政策に精通し小さな政府・低負担良サービスを目指しているかどうかが大きな肝となるでしょう。
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by mycraft-tonbi | 2014-07-24 04:49 | 世情



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